部活が始まる前。
名前を呼ばれて振り返ってみると私の彼氏である隆也がいた。


「どうしたの?」


私が聞くと隆也は珍しく笑みを浮かべながらこっちに近付いてきた。


「何考えてる・・・?」


疑いの目を向けるとばしっと頭を叩かれた。


「別に何にも考えてねぇよ。それよりこれ」


痛い・・・そう呟きながら叩かれた場所をさすっていると目の前には小さなお菓子。
紙に包まれていて飴にもガムにも見える。


「どうしたの?これ」

「クラスの奴からのもらいもん。けど、俺甘いもん好きじゃねぇし。やるよ」


ダメなら最初から断ればいいのに・・・
そう思いながら隆也から包みを受け取って開けた。


「ねぇ隆也・・・これは?」

「キャラメル」


そう簡潔に答えた隆也を私は少し睨む。
だって・・・キャラメルは私がお菓子の中で数少ない食べられないもの。
もちろん隆也だって知ってるはずなのに!
この嫌がらせみたいなのは何?!


「隆也、私がキャラメル食べられないの知ってるでしょ?」

「あーそうだったっけ?」


隆也はさも知らなかったかのように首を捻った。
絶対わかっててやってる!だからさっきも笑ってたんだ・・・


「そうなの。私は食べれないから他の人にあげてきなよ」


私は溜め息を吐きながら隆也の手に小さな包みをのせた。
それからさっきまでやりかけだった準備を再開させようと隆也に背を向ける。





そのちょっと後、また隆也が呼んだのを今度は振り返らずに何?って答える。
けど、隆也からの返事はない。
呼んだだけ?そんな考えが浮かんだ時、突然腕を引っ張られた。


「ちょっ・・・」


隆也?そう言おうとしたら口を塞がれた。

何?!突然の事に頭が混乱して慌てて離れようとするけど、頭が抑えられてた。
その時、口の中に甘いものが入ってくる。

私は隆也の胸を叩いてやっと解放してもらえた。


「・・・隆也・・・急に何すんのよ・・・!」


息も絶え絶えに私は隆也を下から睨んだ。


「食えただろ?」


そう言って妖しく笑った隆也。

さっき口の中に入ってきたのはまさしくキャラメル。
なんとなく吐き出す事も出来ない。
それに食べられたって言うより無理矢理食べさせられたって感じだ。

そう言うと同じだって返事が返ってきた。
私が納得出来ずにふてくされていたら隆也がびっくりすることを言ってきた。


「これからの嫌いなもん、口移しで食わせてやろうか?」


それはそれは満面の微笑みで・・・














キャラメル嫌いの君へ告ぐ




















素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございましたっ!

『*DolCe様へ提出』
東雲灰

08.01.15

[素敵小説提出ありがとうございました!! *Dolce/雛形]