17. ドーナッツペアリング by水谷

私の彼氏はヘタレで生クリーム大好き。
んでもって私は、手作りが趣味のチョコレート好き。






「わぁああ……!!!!」
「ムースは初めて作ったんだけど、見た目大丈夫?」
「全然だいじょぶ!!すっごくおいしそう!!」
「一応ムースの上に生クリーム乗せてみたんだ、文貴用にね」
「もー本当においしそうっ!!」

目の前の文貴は私が作って持ってきたムースを大満足そうに見てる。
チョコレートムースに生クリームを乗せただけなんだけど。
それでも甘いものが大好きな文貴は目をキラキラさせてる。
私はそんな文貴を見るのが大好きで大好きで、だから。

「ね、とりあえず食べて感想聞かせて」
「うん!!」
「お、また作ってきたのか?」
「今度はムース?」
「花井に千代ちゃん!!いる?」
「ありがとう!!」
「凝ってんなぁ、すげぇ」
「おいしーよ!!天才!!」
「うん、水谷くんの言う通りだよ♪」
「確かにすげぇうまいな」
「ありがとう、またなんか作ってくるね」

だから、その笑顔が励みになって次の原動力になる。




「お疲れー」
「あれ、来たの!?」
「だって今日練習試合って言ってたでしょ、差し入れ」

差し入れの箱を見せると試合前にも関わらず文貴を筆頭にぞろぞろとで迎えてくれた。
よく差し入れしてるから野球部でもないのに出入りする事が多かった。
入学して少ししてから文貴からの告白で付き合いだした事もあったのかもしれない。
今ではこのアットホームな野球部の一員になった気分でいる。

「あ、今食べれれば食べちゃって欲しいな」
「なんで?」
「チョコ溶けかけてるかも……

苦笑いしながらぱこっと箱を開ける。
中にはまだかろうじてチョコが溶けてなかったミニサイズのドーナッツ。
勿論志賀先生や百枝さんの分まで作ってきた。
だけど快晴の炎天下の中だ、チャリで急いだとはいえ箱の中は少しあったまっていた。
このままじゃチョコが溶けちゃうのは目に見えてる。
せっかく作ったんだし、できれば作りたてを食べて欲しいのもあるし。

「まだ相手校は来ないしいいんじゃない?溶けちゃったら勿体ないよね」
「わ、百枝さんありがとうございます!!」
「こっちこそいつもおいしいお菓子ありがとう!!」

百枝さんのその言葉を合図に皆が箱からドーナッツを取り出す。
全体的にチョコで仕上げちゃったけど、一応ビターだしそこまで甘くないようにはしたつもり。
時間なくてドーナッツに生クリームを混ぜられなかったのが心残りだけど。

「どう、文貴?」
「やっはりおいひい!!」
「あぁもう、分かったから食べながら言わない」
「でもこのドーナッツってちょっと小さめだね、食べやすいよ」
「あー……時間なくて揚げる時間短縮する為にね」
「へぇ、でも可愛いよ?」
「できれば大きいの作りたかったんだよねぇ」
「そう?――――あ、左手貸して?」
「左手?はい」

文貴に左手を差し出すと文貴はそのドーナッツを私の薬指の第1間接までつけた。
同じように文貴も自分の手に同じようにドーナッツをつける。
何をしようとしているのか分からなかった私はきょとんとしてると。

「ほら、ペアリング!!」
………っっ!!??」
「オレ生クリームも好きだけどチョコも好きだよ、こーゆー事できるしさ!!」
「な……ふみ、き……!?」
「でも1番好きなのはだよ、甘いもの作るの上手いしがもうお菓子みたいだもんね☆」
「わ、私!?」

ペアリング発言により頭の中がパニックになってる私。
普段文貴はヘタレでちょっぴり馬鹿でこういう事しないから全然ついていけなくて。
そんな私の耳元に近付いて、そっと囁いた。

とキスすると甘いし食べちゃいたいくらい可愛いから、お菓子みたい」

それから『いただきっ☆』なんて言いながら私の指についたドーナッツを食べてしまった。
今度こそ顔が真っ赤になってフリーズした。
文貴はそんな私を見てにっこり笑うと田島くん達の方へ行ってしまう。
あれ?文貴ってあんな事言うタイプだったっけ?

ありがとな……って、どうした?」
「花井くん……
「顔真っ赤だけど暑いのか?そこの水分なら飲んでも大丈夫だからな」
「いや大丈夫だけど……恥ずかしい生物がいたから……
「もしかしなくても水谷、だよな」
「全くあの馬鹿……普段ヘタレのクソレのくせに」

どきどきが止まらない。
文貴にあんな一面があったんだ、なんて考えただけで。

 

〜<後書き(って言えたらいいけど結局は駄弁りたいだけ)>〜

今回は素敵企画“*Dolce”に参加させて頂きありがとうございました☆
しかしまぁれっつMU☆RI☆YA☆RI\(^o^)/
せっかくの素敵企画なのにこんなのしか出せない自分が恨めしい←
今回のコンセプトは“ちょっとSっぽい文貴”だったんだけど、無理だった!!_| ̄|○ノシ

 

空想ジンクス/深藍悠憂
Material by November Queen



[素敵小説提出ありがとうございました!! *Dolce/雛形]